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2007年11月26日

【2007年度連続講演会】 第6回講演 予告 「雨季と乾季の気象学、そして気候はどのように建築の形成に影響するのか」

夜の部 12月4日 19:00 開始   朝の部 1月15日 10:30 開始

kusuhara-yokoku-1.jpg世界各地の文明が固有の文化を形成する大きな要因の一つに、気候風土が挙げられると思います。メキシコの文化がどのように気候から影響を受けたのか、それを考える前に、まずメキシコの気候そのものを理解する必要があると思います。メキシコの気候を理解することは、これからメキシコで暮らしたりメキシコを研究する人にとって、役に立つ基礎知識の一つだと思います。メキシコの気候といえば、まずは雨季と乾季が存在するという事ですが、なぜそれらが存在するのか、なぜ乾季にはこんなにも雨が降らないのか、なぜメキシコ高原は雨季でもカラッとkusuhara-6-1.jpg乾燥しているのか、実はよく知らない人が多いのではないかと思います。そこでまず、私たちが知っているメキシコの気候がどのように形成されているのか、そもそも気候はどのように分類されているのかについて、気象学的・気候学的に説明 したいと思います。そして、それがメキシコ文化の形成にどう影響してきたのかを簡単に考察します。

kusuhara-yokoku-2.jpg発表の後半では、これらの気候の違いが民家や伝統建築の形成にどのような形で表れるのかについて、メキシコを支配する熱帯・乾燥帯・温帯という3つの典型的な条件下で住居建築がどの様に快適性を確保しようとしてきたのかを例にとって説明したいと思います。蒸し暑い夏を旨とする伝統建築を持った日本人にとって、温帯や熱帯の建築は理解しやすいものですが、乾燥気候における建築は実際に体感するまでなかなか分かりづらいものです。それぞれの気候において、伝統建築がどのように違い、何を意図して造られているのか、そしてそれが人間の感覚や体温調節とどのように関係しているのか、理科あるいは物理学的な話も交えながら、分かりやすくお話ししたいと思います。

楠原生雄 (メキシコ国立自治大学大学院 建築学専攻 博士課程)
posted by 管理人(-_-) at 17:02| Comment(3) | 2007年度連続講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月17日

メルマガ 【メキシコ文化研究会】 第4号

「メキシコ文化研究会」からのメール配信登録者の皆さん、こんにちはかわいい

11月6日夜の部の、第4回講演「土器を拾って歩こう 〜発掘調査とは別の考古学調査方法から〜」はいかがだったでしょうか?パイナップル畑などにずかずか入っていって調査するのにも驚きましたが、そんなところにまだ土器の破片などが落ちているというのにもびっくりしましたね。

さて、来週火曜日朝の部では、黒崎による第4回講演「土器を拾って歩こう」がリピートされます。聴き逃された方、プチ考古学者になる機会はまだ残っています。今回はお見逃しなく!

また、同日夜の部は、同じく考古学者松原による、第5回講演「ミステカ・アルタ 〜文明形成期の日常生活風景〜」の登場です。テオティワカンやマヤなどの大文明が形成される傍ら、一般のメソアメリカ人の日常生活はどのようなものだったのでしょうか。発掘のエピソードなども交えて、当時の人々の暮らしについてお話します。こちらもお見逃しなく!!

ペン 講演予告ページ

■ 「土器を拾って歩こう 〜発掘調査とは別の考古学調査方法から〜」
http://culturamexicana.seesaa.net/article/64802419.html
■ 「ミステカ・アルタ 〜文明形成期の日常生活風景〜」
http://culturamexicana.seesaa.net/article/65062023.html

ペン講演会基礎情報

■ 講演会趣旨
http://culturamexicana.seesaa.net/article/57462646.html
■ 講演会プログラム
http://culturamexicana.seesaa.net/article/52000674.html
■ 講演会プログラムのPDF版のダウンロード
http://culturamexicana.up.seesaa.net/image/ceculm-ciclo_de_confe-programa_en_color.pdf
■ オンラインアンケート
http://my.formman.com/form/pc/X6YxqnB3rz86U0sk/


会場で記入して頂くアンケートについてですが、皆さんの率直な意見はとても参考になります!アンケートを拝見しながら、思わず各自一人反省会をしたり・・・(笑)。今後もより楽しい講演会にしていけるように、しっかり参考にさせて頂きますので、毎回アンケートに答えるのは煩わしいかもしれませんが、是非ご協力お願い致します!!会場で記入する時間のない方は、上記オンラインアンケートをご利用ください。

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◎o。 知ってて知らないメキシコ文化小話ぴかぴか(新しい)
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〜講演会では敢えてお話しなかった小ネタや、講演会から派生したトピックなどを「講演会こぼれ話」としてご紹介します〜

■ 名前と運命
Codice_Florentino-s.jpgメキシコのスペイン語で同名の人のことをトカジョtocayo(女性の場合はトカジャtocaya)と言います。これは、メシーカ(アステカ)人の話していたナワトル語からきています。ほかにも、アグアカテaguacate(アボカド)、イタカテitacate(お弁当)、クアテcuate(友達/双子)、トラパレリアtlapalería金物雑貨店)、パパロテpapalote(凧)など、地名以外にも、ナワトル語語源の単語は、現在のメキシコスペイン語には沢山あります。また、チョーク(白墨)のことを、メキシコではヒスgis、スペインではティサtizaと言いますが、実は、スペインで使われているティサの方がナワトル語語源で、ヒスはラテン語が語源という面白い例もあります。

さて、話を名前に戻して、先日の池田の講演で、征服以前のメソアメリカでは、生まれた日がその人の名前なっているという話が出ました。これは、例えば、11月7日に生まれた人は、「11月7日」さんという名前だということです。メソアメリカ暦では、各日は、「8の鹿」、「12の水」などのように、1から13までの数字と、20個の動植物や雨、風のような自然現象などを表した記号を組み合わせたもので表されます。そして生まれた日によってその人の運命は決まっています。現在のメキシコ人にとって、トカジョはただの同名さんですが、古代メソアメリカ人にとっては、トカジョであるということは、同じ運命の下に生まれた人ということで、お互いがただの同名さん以上の深い絆で結ばれていたことになります。(柳澤佐永子)

■ タラウマラ人と洞窟
cueva.jpg第三回池田講演のパネルで話題になった<洞窟>のお話の追加です。もともと狩猟収集で生きていたタラウマラ人たちは、シエラ・マドレと呼ばれる山脈地帯に自然形成された洞窟を利用して生活していました。その後スペイン人宣教師によって農耕や牧畜の文化がもたらされ、自然に定住生活へと移行していきました。それでもタラウマラ人にとって<洞窟>は、冬の寒い時期に羊や山羊を入れたり、死者の埋葬に使ったりと、重要なスペースであり続けました。もちろん地域によっては、農耕による定住生活が定着してからも<洞窟>に住み続けるタラウマラ人もいました。

洞窟内の埋葬しかしそれも実際は19世紀末ぐらいまでしか続かなかったようです。現在チワワ太平洋鉄道沿いのクリールCreelなどの観光名所から出ている<タラウマラ洞窟ツアー>のようなものは、<洞窟>に住み続けることによって援助を受けているタラウマラ人を訪ねるか、かつて彼らが住んでいた住居跡の<洞窟>を見に行くツアーと考えた方がいいようです。それでも山岳地域のあちこちに今でも残る<洞窟>内に描かれた先スペイン期の壁画をみながら当時の生活を思い浮かべるのは、興味深い体験となると思います。かつて<洞窟>は彼らが生まれ、生き、そして死ぬ場所だったのですね。

参考文献 (写真引用元)
Carlos Basauri, Monografía de los tarahumaras, Talleres Gráficos de la Nación, México, 1929.

(上西和美)
それでは、皆様に会場でまたお会いできるのを楽しみにしております。

メキシコ文化研究会


exclamation当講演会関連のメールを重複して受信される方へ
基本的に当ブログからのお知らせ メールは、(1)緊急にお知らせしたい変更事項があるとき、(2)次回講演2週間前、(3)次回講演3日前 を目安に送信させて頂いております。また、在メキシコ日本大使館広報文化部のご協力で、大使館のメーリングリスト登録者へ次回講演の告知メールを約1週間前を目安に配信させて頂いております。複数のメーリングリストに登録されている方の中には、当講演会関連のメールを重複して受信されている方が多くいらっしゃるかもしれませんが、どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

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posted by 管理人(-_-) at 15:49| Comment(0) | メルマガ 【メキシコ文化研究会】 2007 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2007年度連続講演会】 第5回講演 予告 「ミステカ・アルタ 〜文明形成期の日常生活風景〜」

夜の部
11月20日 19:00 開始   朝の部 12月4日 10:30 開始

matsubara-mailmagazine.jpgトウモロコシの栽培を中心に定住生活が安定してきた紀元前1500年頃、メキシコでは様々な場所で村、あるいは小集落が生まれてゆきます。後に「メソアメリカ」と名付けられる、メキシコを中心として中南米に広がる大きな文化的流れがまさに始まろうとするこの時代、人々はどのような生活を送っていたのでしょうか。

clip_image006.jpg講演ではまず、オアハカ州西部の山岳地帯に位置するミステカ・アルタ地方の地理的位置とその時代におけるその他の地域を簡単に紹介しようと思います。その後、実際発掘で見つかる住居跡や土器、石器、植物のタネ等の遺物からその当時の人々の生活習慣、道具、食生活等を皆さんと見てゆこうと思います。

matsubara-mailmagazine-2.jpgもしかすると、この当時から脈々と続いている現在のメキシコの文化の一部が垣間見れるかも知れません。
松原信之 (メキシコ国立人類学歴史学大学 考古学部)
posted by 管理人(-_-) at 13:00| Comment(1) | 2007年度連続講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月06日

【2007年度連続講演会】 第4回講演 予告 「土器を拾って歩こう。〜発掘調査とは別の考古学調査方法から〜」

今回の発表「土器を拾って歩こう。〜発掘調査とは別の考古学調査方法から〜」では、連続講演会のメインテーマにもある「二つの文化的ルーツ」のうち、土着的な方に当たるメソアメリカ古代文化に関わるお話をしたいと思います。

メキシコ在住のみなさんの中には、国内に数多くある古代遺跡へ行かれたことのある方も多いと思います。メキシコの遺跡は一般に、大まかに言って、踏査あるいは分布調査、試掘調査、本調査、そして修復保存という過程を経て公開されるにいたります。

本発表では特に、これらの調査過程の初めに行われる踏査、あるいは分布調査とよばれる作業について、その方法や研究のお話をしたいと思います。ここで述べる踏査や分布調査には、野外に出て遺跡の把握とマウンドなどの測量調査、そして組織化された表面採集資料の調査が含まれます。表面採取とは、調査地において地上に落ちている土器片や黒曜石などの考古学的な資料を探すことです。

また、こうして得られた資料をもとに調査研究を進める方法があります。これは、アメリカの調査隊が進めてきた「セトルメント・パターン研究法」とよばれるものの流れを組む調査研究方法で、メキシコの古代文化研究にも大きな影響を与えてきました。現在、メキシコにおいて多くの考古学調査が、この研究法を手がかりにして発掘本調査へと進められます。

僕自身も2000年からベラクルス州のラ・ミシュテキーヤ地域で、考古学者バルバラ・スターク先生が率いる学術調査の踏査に参加し、その方法がどういったものであるのかを体験しました。

kurosaki-foto-1.jpg
ラ・ミシュテキーヤ地域の調査にて。
フィールドにでてマウンドなどや立地を記録している様子。

また、2003年からは同州南部にあるメディアス・アグアス遺跡にて、ロベルト・ルナゴメス先生の調査(http://www.famsi.org/reports/03084es/section02.htm)で、踏査に始まり測量、そして発掘まで、一連の調査へ参加する機会を得ました。

kurosaki-foto-2.jpg
メディアス・アグアス遺跡の調査にて。
隊列を組んでマウンドを探したり土器資料などを探す様子。

kurosaki-imagen-1.jpg
メディアス・アグアス遺跡の簡易測量をもとに作成した遺跡図

kurosaki-imagen-2.jpg
メディアス・アグアス遺跡、測量調査を元に作成した遺跡図

この二つの調査への参加で得た経験を踏まえ、セトルメント調査研究について皆さんのお話するつもりです。

発表では、初めに少しこの研究方法について述べるとともに、二つのベラクルス州での調査事例について詳しくご紹介し、この調査研究方法から何を見ようとし、何が見られるのかという点を考えていきたいと思います。また、遺跡はどこにあるのか?それぞれの自然環境に応じてどういうかたちで遺跡がつくられているのか?マウンドや広場、球技場などどのように構成されているのか?など、皆さんとともに考えてみたいと思っています。

黒崎充 (メキシコ国立自治大学 哲文学部 人類学調査研究所 博士課程)
posted by 管理人(-_-) at 03:17| Comment(0) | 2007年度連続講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月03日

メルマガ 【メキシコ文化研究会】 第3号

「メキシコ文化研究会」からのメール配信登録者の皆さん、こんにちはかわいい

10月23日におきましては、第2回講演、朝の部「テオティワカンの住居 〜居住空間から見える住人の生活〜」、第3回講演夜の部「サアチラ王朝史 〜モンテ・アルバン衰退後のサポテカ文化〜」に多数のご参加ありがとうございました。夜の部の質問タイムでは、黄金の話で盛り上がりました。やっぱり皆さん、金が好きなんですね…(笑)。

さて、来週火曜日朝の部では、池田による第3回講演「サアチラ王朝史」がリピートされます。発表では、皆さんと一緒にミステカの絵文書をガンガン読みます!聴き逃された方、今回はお見逃しなく!

また、同日夜の部は、ベラクルス州ハラパ在住の考古学者黒崎による、第4回講演「土器を拾って歩こう 〜発掘調査とは別の考古学調査方法から〜」です。聞きなれない言葉「踏査」って、一体何でしょう?どんな風に小山とピラミッドを見分けて、どうやって遺跡を見つけるのでしょうか?この講演であなたもプチ考古学者?になれるかもしれません。こちらもお見逃しなく!!

ペン 講演予告ページ

■ 「サアチラ王朝史 〜モンテ・アルバン衰退後のサポテカ文化〜」
http://culturamexicana.seesaa.net/article/59904197.html

ペン 講演会基礎情報

■ 講演会趣旨
http://culturamexicana.seesaa.net/article/57462646.html
■ 講演会プログラム
http://culturamexicana.seesaa.net/article/52000674.html
■ 講演会プログラムのPDF版のダウンロード
http://culturamexicana.up.seesaa.net/image/ceculm-ciclo_de_confe-programa_en_color.pdf

ペン 最近UPされたページ

■ オンラインアンケート
http://my.formman.com/form/pc/X6YxqnB3rz86U0sk/
会場で時間がなかったためにアンケートに答えられなかった・・・という方のために、オンラインでアンケートに答えられるページをご用意しました。今後よりよい講演会を楽しんで頂けるように是非参考にさせていただきたいと思いますので、お手数ですがご協力の方よろしくお願いいたします。

急に寒くなったり、暖かくなったりしています。講演会朝の部は10:30開始、夜の部は20:00過ぎ終了ですので、どうぞ室内と外気の気温差に影響されないように、温度調節の可能な服装でいらして下さいね。


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◎o。 知ってて知らないメキシコ文化小話 ぴかぴか(新しい)
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〜講演会では敢えてお話しなかった小ネタや、講演会から派生したトピックなどを「講演会こぼれ話」としてご紹介します〜

■ テオティワカンの壁画

第1回、第2回講演のテーマ、テオティワカンは壁画都市としても有名です。テオティワカンが栄えていた時代、全ての建物は、現在見られるように岩肌がむき出しだったのではなく、壁面には化粧しっくいが塗られ彩色されていました。ケツァルパパロトルQuetzalpapálotlの宮殿やアテテルコAtetelco、テパンティトラTepantitlaのアパートメント形式住居群などは、一部きれいに復元されており、当時はどのようだったのかを少し垣間見ることができます。保存・修復を専門にしている渡辺の意見によると、あそこまで復元するのはどうかということですが、私のように、レイアウトなどを見てもピンと来ないような人間には、このように復元された場所に行くと、空間が肌で感じられ、当時の生活が想像しやすいです。もっとも、私も、植民地時代に建てられた教会がピカピカに修復されているのを見ると悲しくなりますが。

さて、他の建築物と同様、壁画も全て一度に描かれたのではありません。古賀の話の中でも少しふれられたのですが、線の細さや描かれたモチーフ、色使いなどの様式の違いによって、壁画を時代別に分けることができ、現在の研究では以下の5段階に分けられています。

第1段階: 輪郭は黒い細い線で、ほとんどが幾何学模様。シウダデーラCiudadelaの、入って羽毛の生えた蛇の神殿(ケツァルコアトルQuetzalcóatlの神殿)に着く前の右手(南側)に屋根のついた低い小さな建造物がありますが、そこに描かれている壁画はこの時代のものです。

teo-1.jpg
(De la Fuente, 1995)

第2段階: 輪郭は、同じく黒い細い線ですが、前段階よりもはっきりした線で、モチーフは、幾何学模様のほか、実在又は想像上の動物。古賀の講演で出てきた羽毛の生えた巻貝の神殿Palacio de los Caracoles Emplumadosの水滴をたらした鳥の壁画はこの時代です。

teo-2.jpg
(De la Fuente, 1995)

第3段階: 輪郭が太い濃いめの赤色に変わり、モチーフとしては人物像が現れ、スタイルも確立され始めます。また、テクニックや材料が前段階と変わります。例えば、それまでは、赤を出すためには酸化鉄を使用していたのが、この時代以降、赤鉄鉱(ヘマタイト)という鉱物を使用するようになります。太陽のピラミッドから月のピラミッドへ向かう死者の大通り沿い右手(東側)にあるピューマの壁画、テティトラTetitla・アパートメント形式住居群の壁画のほとんどがこの時代になります。

teo-3.jpg
(De la Fuente, 1995)

第4段階: 第3段階とほぼ同じ特徴。それに加え、他の色をほとんど使わず赤のグラデーションで描かれた壁画が沢山作られるようになります。これはテオティワカンの壁画スタイルの特徴的なもので、これにより、テオティワカンレッドという言葉も生まれました。古賀の発表に出てきたケツァルパパロトルの宮殿のジャガーの中庭の壁画、アテテルコやテパンティトラの壁画などが例として挙げられます。

teo-4.jpg
(De la Fuente, 1995)

第5段階: 衰退期。前段階に比べ、モチーフのバリエーションも乏しく粗雑になります。これはテオティワカンの勢力の衰えによるものでしょう。

壁画だけでなく、彫刻も時代によってスタイルの変化がみられます。死者の大通りをシウダデーラから太陽のピラミッドへ向かう途中、左手(西側)にある西のコンプレックスConjunto Plaza Oesteに面白い例が見られます。ここは、床に穴が開いていて、建て替えによって埋められてしまった一段階前の階段を見ることができる様になっているのですが、建て替え前、建て替え後ともに、階段横のアルファルダと呼ばれる部分に動物の頭の彫刻が付いています。この頭、下のほうのは、かどが丸まっており曲線的で、上のほうのは、かくばっていて直線的と、スタイルの変化が見られます。80年代後半に、ルベン・カブレラという考古学者が、下は蛇の頭で、上はジャガーの頭であり、支配者層が、蛇を守護動物として祀っていた集団から、ジャガーを守護動物とする集団へ変わった事を表していると提案しています。また、羽毛の蛇の神殿が埋められたのも、同じ理由によると述べています。

teo-5-copia.jpg

テオティワカンの美術は、抽象的なものや、違う動物の部位が組み合わされた生物など、解釈するのが難しいモチーフがとても多くあります。現在も、沢山の研究者が、図像解釈を試みていますが、まだまだ謎が多くあります。早く全てが解読される日が来て欲しいですね。

上記に挙げた宮殿や住居群などは全て一般公開されているものを選びました。さらに、4〜5年前に、北の3番ゲートの近くに壁画博物館がオープンし、それまで倉庫にしまわれていた沢山のテオティワカンの壁画が展示されています。テオティワカンへ行かれた折には、壁画博物館や遺跡の中心エリアの外にある住居群跡などにも足を運んでみてください。

参考文献
Cabrera, Rubén: “La secuencia arquitectónica del edificio de los Animales Mitológicos en Teotihuacán”, Homenaje a Román Pina Chan, México, UNAM, 1987, pp. 350-371.

De la Fuente, Beatriz, coord.: La pintura mural prehispánica en México: Teotihuacán, México, UNAM, 1995/1996, 2 tomos.

(柳澤佐永子)

それでは、皆様に会場でまたお会いできるのを楽しみにしております。

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